等身大のはくおろさん

日々起きたことや、過去のことを物語形式で書いていきます(一部脚色アリ)

初出勤

今日は新しい職場への出勤日。

とは言っても、一ヶ月ほど前から頻繁に「研修」という名目で何度もお邪魔していたから、緊張はなかった。あぁ、ついに始まるんだな、という期待、ワクワク感が大きかった。

 

初日は定時で終わり、早速家に帰って教えてもらったことの復習するかと足早に職場を後にし電車に乗り込んだ。未読のLINEに一通り目を通し返信も終わったところに通知が来る。

 

久しぶり!突然なんだけど、軽く食事でもどう?

 

相手は学生時代のバイト先で知り合い、そこから今でも付き合いのあるM君。彼は結婚もして、念願のマイホームを建てたと去年の8月頃に言っていて、それ以来会ってはいない。即答でOKと返した。

 

駅前の焼き鳥屋で合流し、乾杯。最初の一時間はお互いの近況報告。この歳になると「最近どう?」が口癖になる。話題を広げるには一番手っ取り早いからだ。とりとめのないやりとりが続き、俺から切り出した。

 

で?何かあったの?急な呼び出しってことは話があるんでしょ?

「うん、まぁそうなんだよねーははは。いや実はさ…」

何?どうした?

「嫁と喧嘩しちゃってさ…家のことで。仕事で疲れてたせいもあるんだけど、飯にちょっと難癖つけたら怒っちゃってさ…飯作ってくれなくなるわ、口も聞いてくれないわでヤバイと思って…」

 

謝ればいいだけじゃん、とは言えなかった。単純な事のように見えて単純ではない気がしたからだ。何よりもM君と奥さんは夫婦であるということ。恋人関係の時も大小喧嘩はしてたはず。そこで俺は

 

今日、うちくる?二次会やろうぜ

「えっ?でも◯美には誰が連絡を…」

スマホ貸して。俺がかけるわ

「……はい。」

 

電話をかけた。もしもしもなく、無言だ。電話相手が俺だとわかるといきなり丁寧口調になった。当たり前だ。お互い名前は知っていたが会ったこともなければ話したこともない。これがファーストコンタクトだった。

 

いいか?とりあえず始発で会社行って、まっすぐ家に帰る。そして謝る。謝るだけじゃなくて、ちゃんと理由も伝えてな

「ほんとさ、この歳になると素直に謝るってことができなくてさ。何か恥ずかしいんだよね。仕事ならいくらでも頭下げて謝れるのに、変だよね」

確かに。変だよね。意地になってしまうっていうか、なんというか…

 

明日は早起きになるのでもう寝る。M君が寝たのを確認してからこのブログをかきはじめた。飲みかけの缶ビール、封が開けられていないおつまみ、吸いかけのタバコ…

片付けるのは明日にしよう。今日はこの空間で眠ろう。

 

頑張れ、M。大変なのはわかる。だけど、踏ん張れ。